dSPACEでは、KEBA ServoOneなどのKEBA(旧LTi Motion GmbH)社製コンバータを使用する用途に対応した2つのソリューションを提供しています。
dSPACE製品では、複数のコンバータの同期制御が可能であり、プロトタイピングのセットアップを極めて柔軟に行えるようにしています。また、KEBA社のコンバータの代わりに追加のサードパーティ製コンバータを利用することもできます。このため、dSPACE製品ではSCALEXIO Fieldbus Solutionを使用して、CAN、Ethernet、およびEtherCAT経由の通信をサポートしています。
ご使用のテストセットアップにECUが含まれている場合は、RCPプラットフォーム(MicroAutoBox IIまたはSCALEXIO AutoBox)により、バイパス手法を通じてECUを拡張することができます。ECUをRCPシステムに完全に置き換えるフルパスのアプローチとは異なり、バイパス処理は、モーターの制御機能など、ECUソフトウェアの特定のパーツのみをゼロから開発する場合に使用します。この場合、新しい機能の計算は、低レイテンシのECUインターフェース(DCI-GSI2など)経由で、またはCAN、FlexRay、またはEthernetなどの車載バスシステム経由でECUに接続されたRCPシステム上で計算されます。この手法では、ECUやモーターへのケーブルハーネスに実装されているパワーステージを再利用することができます。
ControlDeskではソフトウェア実行中にすべての変数にアクセスできるため、計測および適合を簡単に行うことができます。また、ソフトウェア実行中にUSBデバイスにデータを記録したうえで後処理を行うことも可能です。
dSPACEでは、先進的なElectric Drive制御を必要とするテストセットアップ向けに、サードパーティ製パワーアンプをゲートドライバレベルで接続できるインターフェース、電流および電圧計測用インターフェース、およびエンコーダ処理専用インターフェースを提供しています。
また、DS6121 Multi-I/O Boardを組み合わせたDS6001 Processor Boardや、dSPACE MicroAutoBox III AC Motor Control Solutionなど、専用のI/Oボードを備えた各種のRCPプラットフォームを使用すれば、20 µs以上の制御ループに対して制御アルゴリズムを実行することができます。
20 µs未満の非常に高速なサンプル時間が求められるテストセットアップでは、ユーザによるプログラミングが可能なFPGAを搭載したRCPプラットフォームが必要です。これには次のものがあります。
FPGAプログラミングには、完全なモデルベースのツールチェーンの利用が便利です。RTI FPGA Programming BlocksetおよびXilinx ® System Generator for DSPを使用して、MATLAB ® /Simulink ® でFPGAコントローラモデルを開発することができます。開発の労力を削減するために、dSPACEではXSG AC Motor Control Libraryも提供しています。このライブラリには、PWM生成、ホール、エンコーダ、レゾルバ、EnDatおよびSSIセンサ処理、および角度計算などのあらゆる主要なモーター機能に対応する事前設定済みのファンクションブロックが用意されています。
dSPACEではSCALEXIO、MicroAutoBox、およびMicroLabBox向けのFPGA拡張製品を提供しています。dSPACE FPGAプラットフォーム(SCALEXIO向けのDS6602、DS6601、およびDS2655 FPGA Base Board、MicroAutoBox向けのDS1514 FPGA Board)はさまざまな要求に対応でき、具体的には信号のプリプロセス処理や、モデルの一部をより高速に実行するなど、より厳密なタイミング要件に柔軟に対応することができます。これらのプラットフォーム向けのI/Oモジュールには、追加のアナログ、デジタル、および特殊チャンネルが用意されています。FPGAは、ECU開発において信号のプリプロセス処理などのタスクからプロセッサボードを解放する場合に使用すると特に便利です。(プラットフォームに応じて)80または125 MHzで動作するdSPACE FPGAプラットフォームは、高速な電流制御ループや信号生成のカスタマイズといった適用分野での使用に最適です。
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