データの収集、テストドライブの実行、および大規模なセンサの妥当性確認をdSPACE製品でサポートしたり全面的に実行したりすることにより、開発を加速させることができます。
dSPACEでは、車載データの取得、高度なデータインサイト、および統合されたデータの取り込みを実現する総合的かつ柔軟なソリューションを提供しています 1) 。このソリューションは、データロギング用のハードウェアとソフトウェア、データの取り込みと管理用のソフトウェア、およびその他の付随サービスで構成されています。
堅牢性と柔軟性に優れたモジュール型車載データロガーであるdSPACE AUTERA 製品ファミリは、データロギングのあらゆる課題を克服できるソリューションであり、データ取得における極めて厳しい要求に対応します。AUTERAは、高い計算能力と広いデータ帯域幅(50 Gbit/s)を小型の筐体に組み込んだ独自の設計を備えており、単一の筐体を使用して多数のセンサやインターフェースに接続することができます。
AUTERA AutoBoxを使用すると、個別の要件に沿ったデータロギングシステムをすばやく開発できます。また、カメラセンサ向けの生データインターフェースなど、幅広いバスシステムやネットワークシステムに対応しているため統合が容易であり、必要な作業も最小限に抑えることができます。
AUTERA Upload Station は広帯域幅のインターフェースを備えたオープンなプラットフォームであり、データパイプラインに容易に統合したり、データの取り込みをすばやく実行したりすることができます。
また、ホットスワップ対応のAUTERA SSDを使用すると、データストレージの交換を極めて簡単に行えるようになるため、データガレージや現場でのアイドル時間を最小限に抑えることができます。
基本的なロギングタスクにおいて、 MicroAutoBox III Embedded PC はAUTERAハードウェアに代わる選択肢となります。Embedded PCでは、関連インターフェースとオープンなソフトウェアアーキテクチャを組み合わせることで最大限の柔軟性を実現しており、RTMapsを使用してパラレルデータストリームの極めて高精度なタイムスタンプを保証しています。このシステムは、スタンドアロンで使用することも、MicroAutoBox IIIプロトタイピングユニットと組み合わせて使用することも可能であり、後からデータロギングを行ってデバッグできるという利点もあります。
車載データの取得に向けてハードウェアを補完する場合は、dSPACEのグループ企業であるIntempora社の RTMaps を使用することができます。また、適切なAPIを備えたその他のソフトウェア製品を選択することも可能です。RTMapsでは、(カメラ、LiDAR、レーダー、車載バス、ネットワーク、通信といった)さまざまなタイプのセンサやプロトコルからデータを高精度のタイムスタンプ付きで同期取得したり記録したりすることができます。各データサンプルは、専用のタイムスタンプと共に取得されます。これにより、すべてのデータの時間相関性を確保します。RTMapsは容易に使用できる総合的なGUIを備えたコンポーネントベースのソフトウェアですが、プロセスを自動化するためのAPIも付属しています。
また、Intempora社のドライバーアプリケーションであるRTagを使用すると、テストドライブの際にデータの記録と手作業によるデータのタグ付けを容易に制御できるようになります。RTagはラップトップやタブレットコンピュータなどの携帯端末にインストール可能です。タブレットはダッシュボードに装着できるため、アクセスも容易です。
RTagは、AUTERAで動作するデータロギングソフトウェア(RTMaps)に、データのロギングやアノテーションを追加することができるモバイルアプリケーションです。RTagでは、記録を制御(開始/停止)したり、車載センサのステータスをモニタリングしたりすることができます。また、RTagを使用して運転中にデータにアノテーションを付けることもできます。関連する状況のアノテーションを追加する場合は、「道路工事」や「一時的な速度制限」などのタグ、またはその他のユーザ定義のタグを追加するために画面上のユーザによって定義されたボタンをタップします。このタグの情報はデータをフィルタリングする場合に有用です。また、それ以後の検索時には、記録されたデータのナビゲーションが容易になります。タグが記録に同期していると、Intempora Validation Suite(IVS)を使用して大容量データから関連する状況をよりすばやく容易に検出できるようになります。
ソースへのタグ付けや(高性能GPUがサポートする)高度なアルゴリズムを使用すると、記録データを関連するサブセットへフィルタリングしたり削減したりすることができます。開発および妥当性確認において、無益なデータにコストをかける必要はありません。フィルタリングを行うと、データの取り込み、保存、および転送といったさまざまなコストを削減できるだけでなく、データの取り込みにかかる時間を最小限に抑えることができるため、データサイクルの期間短縮も図れます。特に記録時に興味深い状況が検出された場合には、テストドライブ中に無線テクノロジで開発者へ転送することができます。人工知能(AI)アルゴリズムを使用すれば、記録したい状況を定義することも可能です。この場合、開発者やテストエンジニアが具体的な状況を明確に記載する必要はありません。
さらに、匿名化を車両上で直接行うことにより、GDPRへの対応もその場で実施することもでき、その場合はデータ転送の際に組織的対策を講じる手間が省けます。
IVS は、クラウド、オンプレミス、および世界各地の分散型ストレージアーキテクチャに保存されたテストドライブデータに対して分析、プレビュー、およびタグ付けを行えるクラウドベースのソフトウェアプラットフォームです。直感的なユーザインターフェースにより、関連するデータを容易に検出および選択し、独自のテストプログラム用データセットを作成することができます。
すでに多くのテスト車両を所有しているお客様や、テスト車両を所有することを計画しているお客様向けに、dSPACEではすべての車両を十分に活用できるようにするための制御アプリケーションや管理アプリケーションを提供しています。これらのアプリケーションは、個々の車両での記録の状態を継続的にモニタリングできるよう設計されたウェブベースのソリューションです。また、同時に複数の車両のシステムや設定のアップデートを無線で効率的に実行することもできます。
当社では、dSPACEパートナーネットワークを結ぶさまざまな企業と協力することで、信頼性および柔軟性の高いデータ取得サービスをお客様の要件に合わせて提供しています。また、お客様のテスト車に必要なデバイスを搭載するサービスも提供することができます。当社の連絡先:
dSPACEのグループ企業であるunderstand.ai社が提供するアノテーション サービスを 使用すると、極めて大容量の記録済みデータにも迅速かつ最高の品質でラベリングを行うことができます。
お客様ごとに求める要件が異なるように、提供されるソリューションもそれぞれ異なります。そして、すべての機械学習アルゴリズムは、トレーニングデータとまったく同じ価値を持っています。dSPACEでは、バスおよびAI分野におけるさまざまな経験や確立されたデータパイプライン、コンピューティングインフラストラクチャ、およびアノテーションツールとの相乗効果を提供することにより、お客様が各種のソリューションを自社の環境に統合し、要件に合わせてすばやく調整できるようサポートいたします。
多くのお客様にとって、データロギングは中心的なタスクでも重要な問題でもありません。そのため、当社では、インストール、設定、および適合から既定の仕様に合わせたデータロギングプログラムの実行に至るまで、広範なサービスを提供することにより、お客様がこのようなタスクをさらに容易かつ経済的に行えるようにしています。dSPACEでは、次の分野に固有のエンジニアリングサービスを完全なソリューションの一部として提供しています。
ADAS/ADセンサ、センサフュージョン、および認知コンポーネントの妥当性確認のためのセンサの生データや車載ネットワーク/バスデータの高パフォーマンスな同期データリプレイ
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