dSPACE AUTOSAR Compareの概要
dSPACE AUTOSAR Compareは、ClassicおよびAdaptive AUTOSARに特化した比較ツールであり、2つのAUTOSARファイル間の差異を検出してマージします。
適用分野
AUTOSAR(ARXML)ファイルを使用すると、どのような分散型の開発環境であっても、同僚や顧客、サプライヤが行ったファイルの変更を容易に確認することができます。差異をテキストベースでビジュアル表示する製品は存在しますが、XMLベースのAUTOSAR規格やARXMLファイル内の多くのエレメントの依存関係をテキストベースで比較する作業は複雑になります。しかし、dSPACE AUTOSAR Compareを使用するとエレメントレベルで比較を行えるため、関連する差異を一覧表示でより適切に確認することができます。
主な利用効果
dSPACE AUTOSAR Compareは、常に各種エレメント間の依存関係を考慮します。また、すべてのプロパティや子エレメントも含めてエレメントを比較し、一覧を明確なツリービューで表示します。フィルタリングを実行すれば、各種の差異や不足エレメント、さらにはUUIDの違いといった重要度の低い差異なども検出できます。バージョン管理システムであるGitにdSPACE AUTOSAR Compareを統合すれば、リビジョンが異なるARXMLファイル間の差異を表示し、マージの競合に対応することができます。
快適なマージ
dSPACE AUTOSAR Compareでは、2つのファイル間の差異を確認する場合に、個別のエレメントを一方から他方へ容易にコピーすることができます。また、どのエレメントをコピーして上書きするかも常に完全に制御できます。さらに、選択しているファイルが参照しているすべてのエレメントを強調表示したり、それらをコピーするかどうかを確認したりするといった作業も含め、あらゆるマージ作業を行うことができます。dSPACE AUTOSAR Compareでは、上位レベルだけでなく、すべてのレベルを考慮しています。
ルールベースのマージ
常に1つの製品から特定のエレメントを抽出してそれ以外は破棄するよう定義したワークフローを使用したい場合や、メーカーが異なる製品を使用するとAUTOSARワークフローで一定の問題が繰り返し発生するといった場合にdSPACE AUTOSAR Compareを使用すると、これらの反復的な作業を自動化するためのルールを記述することができます。dSPACEでは、SystemDeskおよびTargetLink間のやり取りといった多くのお客様が行っている一般的な作業について、ルールを記述したファイルを提供しています。
作業の自動化
すべての機能をAPIを介して自動化することも可能です。そのためには、有意義なステータスメッセージを受信できる特殊なコンソールアプリケーションとルールベースのマージ機能を組み合わせて使用します。これにより、AUTOSARワークフローの完全な自動化が実現します。dSPACE AUTOSAR Compareでは、ファイル間の差異および実行されたマージ動作に関するレポートを生成することにより、ユーザがいつでも作業の概要を確認し、必要なプロセスに沿って作業できるようにしています。
機能概要
機能 | 説明 |
概要 |
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