MicroAutoBox IIIは、実績のあるdSPACE MicroAutoBoxの次世代製品であり、すばやく車載機能プロトタイピングを行えるリアルタイムシステムです。
自動運転からゼロエミッションまで – 将来の車載プロトタイピングとして、dSPACEは新しいMicroAutoBox IIIを発表しました。業界で実績のあるMicroAutoBox製品ファミリをさらにいっそう強化した次世代製品です。MicroAutoBox IIIは未来のアプリケーションに向けた最先端をいく開発システムであり、さまざまなアイデアを速やかに実際の車両の機能へと変えていきます。
詳細
新しいDS1521 Bus and Network Boardを搭載したMicroAutoBox IIIでは、慣れ親しんだMicroAutoBoxのコンパクトな筐体の中に格段に豊富な種類のチャンネルが実装されています。
この強力なシステムは、電子制御ユニット(ECU)に追加し、または置き換えることができ、実際の環境で制御機能を体験しテストすることができます。MicroAutoBox IIIは、単一のデモンストレータ用として、または複数のテスト車両への搭載用として、自動運転からゼロエミッションまで、さまざまなラピッドプロトタイピング(RCP)アプリケーションに最適です。適用分野には、以下が含まれます。
MicroAutoBox IIIは、高度な処理能力、バスおよびネットワークサポートを含む総合的な自動車用I/O、および超小型で堅牢な設計を手頃な価格で統合した比類のない製品です。また、総合的なソフトウェア環境を備えているため、システムの設定やプログラミング、操作をわずかな手間で容易に行うことができます。
MicroAutoBox IIIには各種のバリアントが存在しており、アナログまたはデジタル入出力チャンネルの数が異なるもの、あるいは高度なバスインターフェースやネットワークインターフェース、さらには電動化モビリティアプリケーションで必要となる極めて高速な制御ループに対応したユーザによるプログラミングが可能なFPGAを搭載したものもあります。また、ADAS/ADアプリケーション用のMicroAutoBox III Embedded PCやエンジン制御用のI/Oモジュールなど、専用の拡張製品も提供されています。このような特長を持つMicroAutoBox IIIは、自動運転からゼロエミッションまで、ほぼすべてのメカトロニクス車載アプリケーションに対応できる強力かつ柔軟な開発システムとなっています。
dSPACEでは、冷却ユニットを提供しているため、すべてのプロセッサが全負荷で継続的に動作している際にもMicroAutoBox IIIでフィールドテストを行うことができます。アクティブ冷却を用いれば、MicroAutoBox IIIが過酷な条件下でも安全に動作するよう許容温度範囲を拡大できます。
また、この冷却ユニットは、MicroAutoBox IIIの設置面積を変更することなく容易に実装できます。
さらに、MicroAutoBox IIIは新しいAUTERAハードウェアと組み合わせることも可能であり、これは自動運転分野のデータロギングやプロトタイピングアプリケーションに完璧なシステム構成となります。
MicroAutoBox IIIには、プロセッサボード(DS1403)と少なくとも1枚のI/Oボードが搭載されています。プロセッサボードはリアルタイムアプリケーションを実行し、I/Oボードは外部デバイスの信号計測および制御用とバスおよびネットワーク通信(CANまたはEthernet通信など)用の電気的インターフェースを備えています。基本バージョンには、ボードを2枚まで追加できます。
MicroAutoBox IIIでは、以下のI/Oボードを使用することができます。
I/Oボード | 説明 |
---|---|
DS1511 I/O Board | デジタル入出力チャンネルを追加で提供する汎用I/Oボード。 |
DS1511B1 I/O Board | デジタル入出力チャンネルを追加で提供する、アナログ入力チャンネルの電圧範囲を-10~+10 Vに拡張した汎用I/Oボード。 |
DS1513 I/O Board | アナログ入出力チャンネルとCANインターフェースを追加で提供する汎用I/Oボード。 |
DS1514 FPGA Base Board | アプリケーション固有のI/O拡張およびユーザによるプログラミングが可能なFPGAアプリケーションに対応したFPGA搭載ボード。I/Oインターフェースを使用するには、本ボードにI/Oモジュールをインストールする必要があります。また、DS1514 FPGA Base BoardにインストールしたI/Oモジュールの追加や置き換えも可能です。 |
DS1521 Bus Board | CAN FDや車載Ethernetなどの自動車用バスインターフェースを多く搭載したバスおよびネットワークボード。 |
MicroAutoBox IIIには、次のバリアントが用意されています。
MicroAutoBox III Variant with three I/O boards
MicroAutoBox III Variant with two I/O boards
MicroAutoBox III Variant with one I/O board
バリアント | 説明 |
---|---|
1403/1511 1) | デジタル入出力チャンネル重視:Digital In×40、Digital Out×40、Analog In×16、Analog Out×4、CAN×4、LIN×2 |
1403/1513 | アナログ入出力チャンネル重視:Digital In×24、Digital Out×24、Analog In×32、Analog Out×8、CAN×6、LIN×3 |
1403/1521 | バスおよびネットワークインターフェース重視:CAN FD×8、FlexRay×2、車載Ethernet×3、LIN×3、Digital In/Out×6、Analog In×4 |
1403/1511/1514 1) | 1403/1511と同じチャンネルセット、およびDS1514の自由にプログラミング可能なFPGA拡張(Electric Driveやエンジン固有のI/O、追加のCAN FDまたはFlexRayチャンネル用モジュールスロットなどに使用可能) |
1403/1513/1514 | 1403/1513と同じチャンネルセット、およびDS1514の自由にプログラミング可能なFPGA拡張(Electric Driveやエンジン固有のI/O、追加のCAN FDまたはFlexRayチャンネル用モジュールスロットなどに使用可能) |
1403/1521/1521 | バスおよびネットワークインターフェース重視:CAN FD×16、FlexRay×4、車載Ethernet×6、LIN×6、Digital In/Out×12、Analog In×8 |
1403/1511/1521 1) | DS1511(I/O)およびDS1521(バスおよびネットワークインターフェース)のチャンネルセットと組み合わせたバリアント |
1403/1513/1521 | DS1513(I/O)およびDS1521(バスおよびネットワークインターフェース)のチャンネルセットと組み合わせたバリアント |
1403/1511/1514/1521 1) | DS1511(I/O)およびDS1521(バスおよびネットワークインターフェース)のチャンネルセット、およびDS1514の自由にプログラミング可能なFPGA拡張(Electric Driveやエンジン固有のI/O、追加のCAN FDまたはFlexRayチャンネル用モジュールスロットなどに使用可能)と組み合わせたバリアント |
1403/1513/1514/1521 | DS1513(I/O)およびDS1521(バスおよびネットワークインターフェース)のチャンネルセット、およびDS1514の自由にプログラミング可能なFPGA拡張(Electric Driveやエンジン固有のI/O、追加のCAN FDまたはFlexRayチャンネル用モジュールスロットなどに使用可能)と組み合わせたバリアント |
すべてのMicroAutoBox IIIバリアントでは、次の追加インターフェースを使用できます。
最新の技術開発動向をつかんで、イノベーションを加速。
メールマガジンの購読希望・変更/配信停止手続き